ドラゴンクエストW  

〜バグ修正版(後期版・バージョンB)の存在〜

ドラゴンクエスト4(ファミコン版)は様々な裏技(バグ)が使用できることで有名です。
詳しい説明はここではしませんが、有名な一例をあげると、

・逃げる8回成功で全員が会心の一撃を連発できる … 通称「8逃げ」
・カジノでコインを838861枚買おうとすると、3章のカジノでは40ゴールド、5章では4ゴールドで買える … 通称「コインバグ」
・メタルスライム系に聖水をかけると通常攻撃より大きなダメージを与えられる
…などなど。

いずれもPS版では修正されていますが、
FC版でも修正済みの後期版(バージョンB?)ROMが存在するらしいです。
一体誰が言い出したのか、根拠はあるのか、今となっては定かではありませんが…。


3章では、922747枚を24ゴールドで買うこともできます


出典:大技林(トクマインターメディア)


出典:ファミリーコンピュータマガジン(徳間書店)


出典:ドラゴンクエスト25thアニバーサリー「冒険の歴史書」

公式ドラクエ本に、せいすいによるメタル系モンスターへの大ダメージについて記述がある。
もはやスクエニ内では裏技やバグ扱いではなく「仕様」として認識されているかと。

wikiによれば、FC版では、メタルスライム系への聖水攻撃によるダメージ値は「仕様」(メーカー黙認)という見方をしているようですので、
後期版かどうかをプレイで判別する際には主にコインバグと8逃げができるかを試しています。

出荷本数について

大人気商品だった為に初期ロットがあまりにも出荷本数が多く、
バグ修正版ROMが出荷されるまでの初期ロット含めた未修正版自体が何種類か存在するようで、
且つ、箱に違いがほぼ無いので購入して実際にプレイしてみないと確認できない為、
バグ修正版とおぼしき後期版を探すのがあまりにも困難なのが現状です。


初回出荷本数は約130万本。出典:ファミリーコンピュータマガジン(徳間書店)

大ヒットだった為、総出荷本数が304万〜310万本。
初回出荷本数=初期出荷版とは限らないので明確な本数はやはり不明。
そもそも当時エニックスから正式にバグ修正版を出荷したというアナウンスがあったかも事実確認がとれていません。

 

出荷時期の見分け方

現在判明している情報です

@ 説明書裏面に「第2版」の記載あり

初版の説明書には説明書裏面右下に何も記載がありませんが、第2版は右下に記載があります。
ただし、説明書に2版の記載があってもバグ修正版ROMとは限らないようで、
新品を開けてみたら、後述の刻印「00」「A」のROMが入っているにもかかわらず、
第2版と記載された説明書が入っていたりします。
しかし、「第2版」と記載のない初版の説明書が入っていて後期版ということはあり得ないと考えています。
中古ですが、第2版の説明書が入っていたソフトを8本プレイした結果、いずれも後期版ではありませんでした。
第2版以降の第3版があるのか、若しくは、初期出荷版でも第2版が入っているソフトがあると考えられます。

ちなみに、2版はピオリムの効果範囲が訂正されています

上が2版で、下が初版

 

A 箱の耳に数字の印刷あり

向かって左側の2つある耳の表面に印刷されており、出荷後に後から記入・捺印されたものではない。
初期出荷分には数字の印刷はされていない。
今のところ箱だけで判別する場合の唯一の手掛かりで、有力な情報だが確定ではない。
中古で入手できた2版と書かれている説明書の入っていた箱のうちの3本にのみ数字が印刷されていた。
中古だった為、2版と書かれた説明書の入っていた残りの1本は箱の中身を入れ替えて販売されていたと思われる。
「1」から「9」までの存在は確認済み。「10」以降や「0」があるかは不明。
これも数字が大きい方が出荷時期が新しいのかは不明。

「1」「3」「5」「7」の箱の中には、反対側(右側)の片方の耳には「00413」と小さく印刷されているものもあった。
「2」」「6」「8」「9」の箱の反対側の耳には何も記載が無かった

どちらにしろ開封してみないと見れない場所にある為、ネット購入の際に判別するのは難しい。
少なくとも初回出荷分には数字の印刷はない。

 

Bカセットの裏面のラベルシール部左上にある刻印が「11」またはそれ以降説

中古市場で出回っているカセットの殆どが「00」か「09」でまれに「11」「05」が見つかる。
「05」はまずみつからないが、順番的に「11」よりは製造・出荷は古いと思われる。
10本以上入手することができた「11」と6本入手できた「05」が後期版かどうかプレイしてみたが、カジノコインバグや8逃げ、
メタルスライムへの聖水ダメージも修正されているカセットはなかった。
実証した結果と他サイトから得た情報から、
「05」「09」「11」でバグ未修正版というROMが多数ある為、「00」は初回生産分かもしれないが、「00」だけが初期出荷版とはいえない。

 

Cカセットの裏面ラベルシール部右上にある刻印が「B」

これは都市伝説。中古ショップやネットオークションを見て回って200本以上チェックしたが、
未だに「B」と刻印されたROMを見た事も聞いた事もない。

また、アルファベットの刻印が無いROMもある。
他サイトでデータ解析を行った人によると、アルファベットなしが最初期版の「Ver.1.0」で、
刻印Aが「Ver.1.1」とのこと。
意図せずして刻印されなかった、つまりエラーの可能性もあると思ったが
どうやら初めは刻印なしで、バージョンUPしてから刻印Aにしたことになる。

この「刻印なし」はキャラクターのセリフや画面の表示が一部 刻印ありとは異なる。

・5章イムルの兵士 先頭の4人にライアンがいない場合のセリフ
左が刻印A、右が刻印なし


・瀕死のステータスのメンバーがいる状態でカジノに行った時のウィンドウ枠の色
左が刻印A、右が刻印なし

 

Dカセットの端子部分近くにある刻印

カセット表側と裏側にそれぞれ1か所ずつ別々の刻印(出っ張り)があります。
表側には「TF-○○-N」、裏側には「TB-○○-N」または「TB-○○」と刻印されています。(○○には数字1〜32が入ります)
数字が大きい方が新しいと思うのですが、調べた限りでは刻印と出荷時期の関連性は薄いと考えられます。

 

Eアンケートハガキに記載されている年月

いつ刷られたが記載されている為、目安としては判りやすいのですが、
説明書が刷られた時期とROMの生産時期やロットが一致するとは限らない為、今の段階ではまだ断言ができません。
ドラクエ4は1990年2月に発売しましたが、当初、1990年1月発売予定だった為、アンケートハガキは「90.1」と印刷された物があります。
自分が持っている一番新しい版は「90.6」と記載されたハガキですが、このはがきが付いていたカセットも後期版ではありませんでした。
中古なので中身が入れ替わっていた可能性はありますが、90.6より新しい日付のハガキが付いた品が後期版の可能性大です。

 

F内部ROM

自分の中では禁じ手にしているのですが、ドラクエWは外側だけで判別が困難な為、このソフトに限り開けてみました。

内部基盤の左上にEFC-D4-1と記載のあるのがゲームプログラムの保存されているROM。
現在、ROMの表記は3種類あることが現在判明しているが、カセットの刻印との相関関係はあまりない。
同じ刻印の付いたカセットでもROMが違ったり、違う刻印でもROMが同じだったりする。
カセットと基盤を別工程で製造して組み立てるが、時期によって分けているわけではないということか?
一番良く見かけるのはUPD23C4013C-W03。その下にあるのが製造番号だと思われる。
この製造番号が新しい方が後期と考えるのが筋か。

余談だが左下のRAMはPanasonic製とSONY製とSHARP製が存在する。
右上のRAM:NEC製64S20と右下のNintendoMMC-1チップは固定。

刻印「11」、「A」

刻印「05」、「A」

刻印不明

 

因みに、型番・JANや箱に記載のメーカー情報等は全く一緒です。
また、箱のタイトル名の文字色が違うという情報がありますが、おそらく色褪せや退色の類いだと思われます。

カセット表面の文字の太さ(フォント?)が2種類あるとは思います。
刻印11が太い文字で、太い文字の方が絵柄が全体的に濃い配色になっている気もしますが…気のせいですかね?w


説明書が2版になっている品をこれだけ購入しても後期版と思われる品は見つからないです。
これ以外にも刻印で選んだ裸のドラクエ4が大量にあります。

inserted by FC2 system